少子高齢化による人材不足

人材不足の原因の一つとして考えられているのが、少子高齢化による生産年齢人口の減少だ。
1995年では生産年齢人口は約8700万人だったが、2015年には約7700万人になり、10年間で約1000万人も減少している。
働ける世代が減ったことによって人材の確保が難しくなり、人材不足の問題が深刻化しつつある。

特に技術を持った人が引退したことによって跡を継ぐ人がいなくなってしまうことも、人材不足につながる大きな問題だ。
新人を教育し技術を継承させることができれば良いが、即戦力となる人材を雇ってしまうことも人材がいなくなる原因となっている。

人口減少による人材不足問題を解消するには、人工知能やロボットの導入による業務の効率化が有効な対抗策であると考えられるが、中小企業にとってはコスト面で難しい所もある。

また、人手が足りなくなる理由として、待遇の悪さも考えられる。
仕事内容が過酷な割に給与が十分でなければ不満は大きくなり、辞めてしまう人も出てくる。
長時間労働や休みが取れない状態が続いてしまうようであれば、働き続けることはできないと判断して離職者が出てしまうのは無理のないことだ。
さらに離職者が多いという理由で業界にハードなイメージが持たれてしまっては、就職希望者も減少してしまうことになる。

人材不足を補うために派遣社員を雇う企業もあるが、派遣社員は給与が高く、派遣会社に紹介料を払わなければならない。
そのため、直接雇用よりも費用がかかり、社員の待遇の悪化につながる可能性もある。